GARELLY DECO 2003
「slow」2003年2月11日〜2月21日
プレスリリース、タテシマコメントより
作品のタイトルにSLOWという言葉を選んだのは、絵画制作の中で、ある種の時間感覚の表現に固執している自分に気付いたからです。以前の作品制作での動勢や多視点といった取り組みを支配していた時間というものに気が付いたと言えるかも知れません。それは、時間概念そのものを考えさせる様な表現とは全く別のものですが、絵の中の空間や形態を描き出すとき、時間を考えることで絵が豊かになるイメージが私にはあります。
前回、時間と空間両方に使われる「間(ま)」という言葉に興味を惹かれると書きましたが、私が私の絵を考えるにあたって、何かそのように時間と空間とを(日常とは違った方法で)同時に眺められるものであればと思っています。 最近の作品は、画面に描く形態を風景の中に探しています。その中でも雲、雨、水など形を変えて動くものが気になります。風景というより天候に関しての絵と言ってもいいです。そして、それらの「動き」を如何に描くかではなく、それらが時間と共に動いたので、見ることができなくなったものを、絵という手段で眺める。そんなイメージです。「速さ」で計ることのできないものの象徴としての「slow-緩慢さ」です