桜井進 著「2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!」を、読んでました。テレビにもよく出ておられる方のようで、みなさんご存じかも知れません。この趣向の本、科学をいかにわかりやすく語るか、、とか、その数学バージョンとか、僕は結構好きでよく読みます。この本は、著者の「漫画、ドラえもん」への愛が本全体に貫かれた形になっていて、いままでの「わかりやすく」とか、「数式を使わずに」とかの本とは少し違っている様に思えます。いえ、もちろん数式は出てこないやさしいつくりになっていますよ。  で、え~、、その中で、ドラえもんとあんまり関係の無かった「量子力学」で説く華道の世界、その次に続く、偶然生命が誕生し、人類まで発達する確率は無に等しい、の章が僕は印象深かったです。華道にせよ、美術にせよ、我々の美への創作というのは驚くほど無駄な(と、思われる)作業の積み重ねの上に成り立っていると思うのですが、ではなぜ?、いや、果たして、その値打ちがあるのだろうか、、と言うことに、著者の科学者としての立場から一つの解釈が述べられています。著者は華道についてだけ述べておられて、僕が美術にまで拡げて読み替えているのですが、その値打ちとして「何かにまなざしを向けること」が、価値として書かれています。それを、普段の生活に活かすことができれば、何か新しい発見を身近に置いて気持ちよく過ごせるんじゃないかなぁと思いました。

 

 

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