2011-02-22

展覧会を来月に控えて、こつこつと絵を描いている筈の男は、明け方まで本を読んでいる。可笑しいじゃない。。  ましてやその本をネタにブログを書こうともしている。寝た方がいいんじゃないの。。

 

制作に多少のプレッシャーがあるこういう時は、あまり幸せそうな本は読めないし、知らない本も読めない。つめたいクンデラくらいがちょうどいい。 クンデラの書く物語は、いつもちょっとひねた主人公が、主人公らしからぬ所へ追いやられて寂しい思いを味わうのだけれど、クンデラが自分の事を書こうとしているのか、僕の事が書かれているのか、分からなくなる瞬間がとても冷たい。

 

もう、寝た方がいいんじゃないのか。

 

クンデラを読むとオシムを思い出す。二人はそう遠くない所の生まれじゃなかったか。二人とも、人と人の間で起こり得る事柄を、何一つ省いて物事を考えない。そういう絶対零度の感覚を持っている。なので、幸せそうな事は言わないが悲劇も書かない。喜劇とは何かを聞かせておいて悲劇を回避せよと言う。 そんな風に思わせるのは、二人がそれぞれ自分の国の大きな変化を経験したことと関係があるのかしら。チェコと旧ユーゴスラビア。

 

飛行機には乗れないって言ったけど、ちょっと行ってみたいかも。

その前に展覧会やな。

 

その前に、もう寝た方がええわな。

おやすみなさいぃ。

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